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CC-Link IE Field(シーシーリンク アイイー フィールド)

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CC-Link IE Field

CC-Link IEは、CC-Link協会が推奨するギガビットEthernetを使用した高速・大容量の通信規格で、主にフィールド機器のI/O制御やモーション制御用途のCC-Link IE Fieldと、主に工場内の基幹ネットワーク用途のCC-Link IE Controlに大別されます。(CC-Link IE FieldとCC-Link IE Controlは混在できません。)

また、CC-Link IEには生産システム全体の垂直統合を目的にシームレスにつなぐための共通プロトコルであるSLMP(Seamless Message Protocol、トークンパッシング方式)も搭載されています。

なお、CC-Link IE Fieldと共存できるモーション用通信としてCC-Link IE Motionや、一般通信と安全通信を混在させて使用できるCC-Link IE Safetyも用意されており、汎用Ethernetを活用したCC-Link IE Field Basicも規格化されました。

CC-Link IE FieldとCC-Link IE Controlの通信仕様

CC-Link IE Fieldの主な仕様

項目 仕様
イーサネット規格 IEE802.3ab(1000BASE-T)準拠
通信速度 1Gbps
通信媒体 シールド付ツイストペアケーブル(カテゴリ5e)、RJ-45 コネクタ
通信制御方式 トークンパッシング方式
トポロジ ライン、スター、リング
最大接続台数 254台(マスタ局とスレーブ局の合計)
最大局間距離 100m
サイクリック通信
(マスタ・スレーブ方式)
制御信号(ビットデータ):最大32768ビット(4096バイト)
RX(スレーブ→マスタ):16384ビット
RY(マスタ→スレーブ):16384ビット
制御データ(ワードデータ:最大16384ワード(32768バイト))
RWr(スレーブ→マスタ):8192ワード
RWw(マスタ→スレーブ):8192ワード
トランジェント通信
(メッセージ通信)
メッセージサイズ:最大2048バイト

CC-Link IE Controlの主な仕様

項目 仕様
1ネットワーク当たりの最大リンク点数 LB 32768ビット
LW 131072ワード
LX 8192ビット
LY 8192ビット
1局当たりの最大リンク点数 LB 16384ビット
LW 16384ワード
LX 8192ビット
LY 8192ビット
通信速度 1Gbps
1ネットワーク当たりの接続局数 最大120台
光ファイバ仕様 1000BASE-SX(MMF)対応、光ファイバケーブル
規格 IEC60793-2-10Types A1a.1(50/125μm multimode)
伝送損失
(max)
3.5(dB/km)以下(λ=850nm)
伝送帯域
(min)
500(MHz・km)以上(λ=850nm)
総延長距離
(光ケーブル総延長距離)
66km(120台接続時)
局間距離(最大) 550m(コア/クラッド=50/125(μm))
コネクタ仕様 2連LC形コネクタ
規格 IEC61754-20:TypeLC connector
接続損失 0.3(dB)以下
研磨面 PC研磨
最大ネットワーク数 239
最大グループ数 32
伝送路形式 二重ループ

CC-Link IE Fieldの通信方式

CC-Link IE フィールドネットワークのデータ通信には、リアルタイムのサイクリック通信と非リアルタイムのトランジェント通信の2つの方式があります。制御データはサイクリック通信で、診断情報、トレーサビリティのための管理データ、ロギングデータ等はトランジェント通信で行います。CC-Link IE フィールドネットワークのサイクリック通信は、CC-Linkのマスタ、スレーブ間のサイクリック通信と同一の考え方で行われます。

サイクリック通信

サイクリック通信は、ネットワークに接続されているマスタ局(コントローラ)と各スレーブ局(制御対象機器)間で共有する分散共有メモリ領域のデータを定期的に更新する機能です。

CC-Link IE フィールドネットワークの分散共有メモリの概念

CC-Link IE フィールドネットワークの分散共有メモリの概念

トランジェント通信

トランジェント通信は、任意の機器間で1:1のメッセージ通信を行う通信機能です。

トランジェント通信

CC-Link IE フィールドネットワークのトランジェント通信を図に示します。CC-Link IE フィールドネットワークはネットワークに接続されている任意の機器に対してネットワーク番号と局番で指定することにより、メッセージ送信ができます。この機能によりユーザは全ての機器に対して、ネットワークの物理的な構成にかかわらず、シームレスに通信することができ、システム全体をあたかも1つのネットワークとみなして、機器の管理ができる利点があります。

CC-Link IE Field Basicの特徴

CC-Link IEフィールドネットワークBasicはサイクリック通信を、ソフトウェア(ネットワークプロトコルのアプリケーション層)で実現します。汎用のEthernet対応機器であれば、ソフトウェアを実装するだけで、CC-Link IEフィールドネットワークBasicへの対応が可能です。トランジェント通信はCC-Link IE対応機器の共通プロトコルであるSLMP(Seamless Message Protocol)で実現します。また、HTTPやFTPなどの汎用Ethernet通信と混在させることが可能であるため、Ethernetネットワークの1本化が可能です。

プロトコル構成

プロトコル構成

CC-Link IE Field Basicの概略仕様

項目 仕様
通信速度 100Mbps
実装方式 ソフトウェア
接続形態 スター(スイッチングHUB接続)
ケーブル Ethernetカテゴリ5e以上
1ネットワーク当たり最大接続局数
(オープン仕様)
64
サイクリック通信 対応
最大リンク点数/ ネットワーク RX,RY 各512 byte(4K点)
RWr,RWw 各4kbyte(2K点)
最大リンク 点数/局
(複数局占有可能)
RX,RY 各8byte(64点)(固定)
RWr,RWw 各64byte(32点)(固定)
リンクスキャンタイム (16台接続) 10ms
トランジェント伝送 可能(最大2kbyte)
TCP/IP通信混在 対応

SLMPの通信方式

SLMP(SeamLess Message Protocol)は、CC-Link IEと汎用Ethernet機器の間でネットワークの階層と境界を意識せずに、アプリケーション間通信を実現するための共通プロトコルです。SLMPは、TCP/IP、CC-Link IE等のネットワーク階層上に実装されます。SLMPを実装することにより、汎用Ethernet機器、CC-Link IE機器間で、クライアント・サーバ型およびプッシュ型の通信が可能になります(図参照)。

汎用Ethernet機器であれば、ソフトウェア開発のみでCC-Link IE対応機器との接続が可能となります。

シームレス通信を実現するプロトコル構成

シームレス通信を実現するプロトコル構成

SLMPはソフトウェア開発だけで製品開発が可能です。

CC-Link協会にて実施しているSLMPコンフォーマンス試験に合格することでSLMP接続製品として認定されます。

アプリケーション部分の開発のみ、ハードウェアの開発は不要
LANからの設備管理

SLMPのシームレス通信により、事務所のLAN上に接続されたパソコンから、ネットワークを越えてCC-Link IEに接続された機器にアクセスし、パラメータの設定や、保全情報の収集などが行えます。

LANからの設備管理