(株)エムジーカスタマセンター

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直撃雷の場合でも機器を保護する方法はありますか?

直撃雷のおそれのあるところは、避雷針と避雷器の併用をおすすめします。

解説

直撃雷のエネルギーは非常に大きく、避雷器だけでは機器を保護できません。直撃雷のおそれがある建築物は、避雷針を設置し、その遮へい角内に建築物が入るようにしてください。また線路には架空地線を設けてください。
避雷針や架空地線で雷エネルギーの大半を吸収し、吸収しきれなかった分を避雷器で受けもつようにしてください。

避雷針による遮へい

避雷針

自主的に雷を誘引することで、周囲の建築物に落雷しないよう働きます。落雷の遮へい角は45~60°の円すい体の範囲とされています。ただし、落雷に伴い避雷針付近の大地に衝撃電流が流れます。通常埋設ケーブルは直撃雷を受けませんが、避雷針のそばに埋設すると、この衝撃電流により誘導起電力が発生しますので注意が要ります。

架空地線による遮へい

架空地線

送電線や架空線の上に張った接地線です。避雷針を何本も並べたような効果があり、架空地線の下に張られた線路を直撃雷から遮へいします。

避雷器を付けている変換器の指示が最近おかしくなりました。
どうしてですか?

今までこれといって問題がなかったのに、最近おかしな指示をするようになったのであれば、避雷器の性能劣化で交換時期にきていることが考えられます。
性能劣化(寿命)は一様でなく、襲雷頻度の多い地域に設置されている避雷器は、交換時期もそれだけ早まります。新しい避雷器と交換してください。

避雷器の性能チェック

避雷器は消耗品と考えてください。襲雷時期の去った後に、使用中の避雷器が充分な性能を維持しているかどうかを専用のエム・レスタチェッカ(形式:C-106A-1)で確認することをおすすめします。寿命モニタ機能付避雷器は、モニタランプで表示するとともに、リレー接点で警報を出力します。

襲雷後まもなく、受信計器が壊れました。
なぜでしょう?

襲雷によって生じた大きな電磁界の影響で、信号線または電源線から誘導雷サージが侵入して壊れたと思われます。
受信計器に接続されている信号線および電源線に避雷器を設置してください。

屋内盤に付いている変換器が襲雷で壊れました。
なぜでしょう?

変換器が屋内盤に収納されていても、信号線や電源線は屋外のケーブルピットや電線管を通り変換器に接続されています。この線路に誘導雷サージが侵入して変換器が壊れたと思われます。変換器の入力・出力・電源系統の3箇所に避雷器を設置してください。また、屋内盤1の避雷器が働くと屋内盤1だけ大地電位が上昇し、少し離れた場所で別接地している屋内盤2との間に電位差が発生します。屋内盤1と2が別接地になっている場合は、屋内配線でも盤間をつなぐケーブルには避雷器を設置してください。

電源ラインにも避雷器は必要ですか?

必要です。

解説

網の目のように張り巡らされてる配電ケーブルは、誘導雷サージから見れば受信アンテナと同じで、最も侵入しやすい状態にあるといえます。設置に際しては盤や装置またはシステム単位に、消費電力に応じた避雷器を選びます。

監視盤に設置した避雷器で現場盤の機器を保護できますか?

保護できません。現場盤にも避雷器を設置してください。

解説

避雷器にはケーブル側と機器側の区別があります。ケーブル側は保護できませんので、現場盤にも同じ形式の避雷器を設置してください。

襲雷前に電源スイッチを切ったのに機器が壊れました!
なぜでしょう?

片切り構造のスイッチであれば、雷サージは飛び越えて侵入しますので機器が壊れることがあります。両切り構造のスイッチに取り替えてください。ただし、スイッチの絶縁耐圧また誘導雷サージの大きさによっては侵入することが考えられます。電源用避雷器の設置をおすすめします。

避雷針に落雷したら機器が黒こげになってしまいました!
なぜでしょう?

大地電位の上昇によって機器が放電破壊したと思われます。避雷器を設置してください。
また避雷針の接地と避雷器(機器)の接地は共用せずに、個別に行ってください。

解説

避雷針に落雷すると、大電流が大地に流れるため、接地点が高電圧に上昇します。設備1が避雷針の遮へい角内にあると、どうしても設備1の接地が避雷針の近くになり、設備1の接地点も高電圧になります。このため、設備1と、避雷針から離れた大地電位の低い場所にある設備2の間に相対電位差が発生し、機器のきょう体~回路間に放電破壊が起こります。
これを防ぐには、設備1・2両方に避雷器を設置し、サージ電流をバイパスして相対電位差を吸収します。
また、避雷針と設備1の接地を共用すると、雷電流の大半が避雷器側に流れ、避雷器の放電耐量を超えてしまうことも考えられるので、接地は必ず個別に行ってください。

■ もし避雷器の接地を共用すると・・・
避雷針の接地抵抗はいくら小さくても1Ωくらいあります。落雷電流が仮に20万Aだとするとこれに伴い発生する電圧は20万Vにもなります。避雷針と接地を共用していると、この電圧がG端子から逆流し機器を破壊します。

埋設ケーブルであれば避雷器はいらないと思いますがどうですか?

必要です。

解説

地中は、雷放電により生じた電磁波を比較的透過しやすいため、埋設ケーブルは誘導雷に対して期待するほどの効果がありません。また、避雷針などを通して大地に流された雷電流が、多くの埋設線を通して端末の機器に被害を与えます。

避雷器の接地は、何種接地で行えばよいですか?

避雷効果では、何種接地でも問題ありません。
ただし保安上の面から、D種接地(100Ω)以上をおすすめします。

解説

重要なことは、機器の信号端子~接地端子(G)間には避雷器の制限電圧(V2)しか加わらないように、避雷器と機器それぞれの接地端子を連接接地線で接続し、避雷器側で接地することです(③)。正しい連接接地を施せば、避雷器と機器間に瞬間同電位が確立されるため、接地抵抗の大小は避雷効果に影響しません。

①分離接地
接地抵抗(R)×雷サージ電流(i)に相当するコモンモード電圧(V1)が、避雷器の制限電圧(V2)に合わさって、機器の信号端子ー接地端子間に加わります。この場合、接地抵抗が非常に小さくないと(数Ω以下)、避雷効果はありません。

②連接接地(機器側で接地)
連接接地線に雷サージ電流が流れるため、配線インピーダンス(Z)×雷サージ電流(i)に相当する電圧(V1)が、避雷器の制限電圧(V2)に合わさって、機器の信号端子ー接地端子間に加わります。連接接地線が長いと避雷効果が落ちます。

③連接接地(避雷器側で接地)
連接接地線には雷サージ電流が流れないので、機器の信号端子と接地端子(G)間には、避雷器の制限電圧(V2)しか加わりません。避雷器の性能どおりの避雷効果が得られます。

電源用避雷器が壊れても電源ラインは安全ですか?

避雷器には保護回路が付いているので安全です。

解説

避雷器は、長期にわたって雷サージのストレスを受けたり、放電耐量以上の雷サージを処理すると、内蔵の素子が短絡故障することがあります。このとき電源ラインの短絡事故や避雷器の発熱事故が心配されるので、避雷器には、素子を切り離す保護回路が組まれています。
ただし、直撃雷など放電耐量をはるかに超えた雷サージを受けた場合には、対応しきれないおそれもあります。電源ラインには、必ず配線用遮断器を設置してください。

MAX-100/MAX-200の例

手持ちの避雷器を付けましたが襲雷で変換器が壊れました。
どうしてですか?

避雷器の選択を間違えますと保護できません。

解説

使用する避雷器の制限電圧は、保護する機器の耐電圧以下にします。この仕様を誤ると、保護効果は全く得られないことになります。

襲雷の後、温度変換器は無事なのに出力が振り切れました。
なぜですか? 検出端は測温抵抗体を使用しています。

雷サージで検出端(測温抵抗体)が断線したと思われます。

解説

温度変換器の場合、検出端が断線すると出力信号が上限側または下限側に振り切れる機能(バーンアウト)が付いています。雷サージから保護するため機器側はもちろん、検出端(測温抵抗体)側にも避雷器を設置してください。