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雷雲にある程度の電荷がたまり、空気の絶縁を破壊する電圧に達すると、雲相互間または雲~大地間で放電を起こします。電流値は20~150kAにもなります。このとき、送電線や通信ケーブルへの直接放電によって発生する異常電圧を直撃雷サージといいます。これに対し、放電地点近くの送電線や通信ケーブルに、静電誘導や電磁誘導によって発生する異常電圧を誘導雷サージといいます。また、避雷針に落雷があり大地の電位が上昇すると、機器の接地電位も高くなり、送電線や通信ラインと大地間の電位差が大きくなります。この異常電圧を大地電位上昇による雷サージといいます。

直撃雷サージのエネルギーは非常に大きく、避雷器だけでは機器を保護できません。避雷針や架空地線を設置して雷エネルギーの大半を吸収し、吸収しきれなかった分を避雷器で受け持つように対処する必要があります。
ここでは、直撃雷サージを除く雷サージの発生メカニズムについて説明します。

静電誘導による雷サージ

送電線や通信ケーブルの上方に、雲底が負電荷に帯電した雷雲があると、ケーブルには雷雲からの静電誘導により正電荷が帯電し高電圧になります(図1)。
この時、雲間放電や雲~大地間放電により、雲底に帯電していた負電荷が消滅すると、いままでケーブルに拘束されていた正電荷は、拘束から解かれケーブルの両方向へサージ電圧として進行します(図2)。

図1

図1

図2

図2

電磁誘導による雷サージ

雲~大地間放電が送電線や通信ケーブルの近くで発生したとき、雷電流により磁界が発生し、電磁誘導によりケーブルに雷サージが発生します(図3)。

図3

図3

大地電位上昇による雷サージ

建築物や避雷針に落雷があると、大電流が大地に流れ、大地電位が上昇します。このため、設備1と、避雷針から離れた大地電位の低い場所にある設備2の間に電位差が発生し、大地からケーブルに雷サージが流れます(図4)。
また、雷雲の静電誘導で建築物が帯電していて、雲間放電や雲~大地間放電によって雲底の電荷が消滅すると、建築物に帯電していた電荷が大地に流れます。この場合も大地電位が上昇しますので、大地からケーブルに雷サージが流れます(図5)。

図4

図4

図5

図5