規格/標準

エムエスツデー 2005年4月号

計装豆知識

ISO 14000印刷用PDFはこちら

マネジメントシステムに関する国際規格の代表的なものとして、品質保証に関するISO 9000シリーズと、環境への配慮に関するISO 14000シリーズの2つがあります。
今回は、ISO 14000シリーズについて、ごく簡単にですが、以下にご説明します。

1.ISO 14000シリーズとは

ISO 14000シリーズの国際規格は、企業活動が環境に及ぼす影響を最小限にくい止めるよう配慮することを目的として定められたものです。

この規格は、ISO(国際標準化機構)によって1996年に制定・発行され、企業の活動、製品およびサービスが及ぼす環境負荷を低減させるための、マネジメントシステムの構築に関する要求事項が規定されています。細かな要求事項に関してはここでは省略させていただきますが、特徴の一つとして、以前からあったTQM(総合的品質管理[Total Quality Management])で用いられるPDCAサイクルの考え方が取り入られている点が挙げられます。図1に、PDCAサイクルで行うべき事柄の概要を示します。

また、ISO 14000シリーズでは、このPDCAサイクルを1回だけでなく継続的に何回も回すことによって、環境負荷の低減や事故の防止につなげ、継続的改善を実現することを目的としています。

なお、ISO 14001に基づいて構築されたマネジメントシステムは、“環境マネジメントシステム”と呼ばれますが、EMS[Environmental Management Systems]と略称されることも多いようです(ISO 9001に基づく品質マネジメントシステムは、QMS[Quality Management Systems]と略称されています)。

図1

2.審査登録制度

ご存じのとおり、ISOマネジメントシステムについては、それぞれのISO規格の要求事項を理解し、規格に適合したしくみを構築、運用することが必要です。また併せて、審査登録を受けようとする企業の、業種に合った専門性をもつ審査登録機関による審査・認証を受ける必要があります。さらに、審査登録機関による審査が認証後も定期的に行われることにより、マネジメントシステムの適切な運用および改善活動が維持されます。

3.最後に

近年における、企業を取り巻く状況変化の一つとして、環境保全への取り組みが挙げられ、有害物質の使用の禁止または制限ならびにISO 14001に基づく環境マネジメントシステムの認証取得などは、その具体的表れといえます。

また、環境マネジメントシステムの認証取得は、電子電気業界を主体に始まりましたが、最近では、自治体や銀行など様々な業界にも広がっており、品質マネジメントシステムの認証取得とともに本来の業務を果たすための“免許”のように扱われることも少なくありません。

エム・システム技研は、今後も環境保全を重要課題の一つとして位置づけ、環境負荷の低減に努めたいと考えています。

【(株)エム・システム技研 品質保証部】


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