エムエスツデー 2007年9月号

PCレコーダの納入実例
No.24

化学繊維工場のデータ収集に採用された
PCレコーダソフトウェアMSRpro

 PCレコーダの納入事例として、今回は化学繊維工場の温度データ収集用として採用された、サーバ/クライアント形 PCレコーダソフトウェア MSRpro(エムエスアールプロ)(形式:MSR2K-V5についてご紹介します。

 化学繊維の製造途上、無用に発生する規格外品を再利用するためにチップ化する工程で、できたチップをパワードライヤーという温風乾燥機で乾燥させています。このパワードライヤーの温度監視がPCレコーダご採用の目的でした。

 従来は、30点程度の温度データがチャート式記録計を使って監視されていました。設置されてからすでにかなりの年数が経過していたため、そのリプレース用としてご検討いただきました。実績があり、取扱いにも慣れておられる同じチャート式記録計をそのまま入れ替えることも検討されましたが、高価になること、またチャート紙を使用するため、紙詰りや紙切れの際のメンテナンスが必要になることも考え、パソコンを使用したメンテナンスフリーの PCレコーダを選定され、エム・システム技研の MSRpro をご採用いただきました。

図1 システム構成図

 ご採用いただいた最大のポイントは、安価で容易にシステムが組めるという点でした。リモートI/O R3シリーズを使用することで、チャート式記録計に比較して大幅なコストダウンが実現しました。

 2つ目のポイントは、MSRpro の設定をユーザーご自身で実施できる点です。データ表示点の追加や表示方法、レンジの変更などでも、もし、ソフトウェアメーカーの担当者を呼んで設定変更を依頼すると大変高価になります。ところが MSRpro では、設定操作に関して特別な言語を使用していないため、ユーザーご自身の手で容易に設定変更が行える点をご評価いただきました。

 また、パスワード機能がある点もご採用のポイントとなりました。ユーザーご自身で設定変更ができることはよいのですが、専門家でない一般現場作業者でも設定画面に触ることができると問題が発生するケースが考えられます。

 パスワード機能を使用することによって、担当者ごとに使用範囲を決めることができます。すべての操作(すべての設定変更)ができる担当者と、表示・アラームなど、重要部分以外の設定変更ができる担当者(ただし、Server 未起動時は操作不可)とに使用範囲を分けることができます(表1参照)。

表1 設定操作が可能な項目

設 定
項 目
ペン設定 表示/非表示、太線、プロット範囲、対数設定
アラーム設定 すべて
トレンド表示設定 デジタル表示域割合(縦書き)/(横書き)、連動
アクティブトレンド表示設定 デジタル表示域割合(縦書き)/(横書き)
オーバービュー表示設定 グループ代表アラーム表示、連動
アナライザ設定 重ね書きグラフ濃度
設定書き出し/読み込み すべて
設定情報CSV書き出し すべて

 パスワード制限をかけることによって、誤操作に伴う運転停止も回避できるわけです。

 以上に挙げた諸特徴を理由として、今回、PCレコーダソフトウェア MSRproMSR2K-V5)をご採用いただき、大変ご満足いただいています。

MSRpro は、(株)エム・システム技研の登録商標です。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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