エムエスツデー 2007年2月号

製品別情報

オンラインモニタ搭載形ビルダーソフトウェア新登場
ビルダーソフト(形式:SFEW2)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

 現在販売中のスーパーDCS用ビルダーソフトウェア「ビルダーソフト(形式:SFEW」は、おかげさまで大変ご好評をいただいています。

 なお発売以来、SFEW の機能の追加に関して、お客様から数多くのご意見をいただいて参りました。エム・システム技研では、これらのご意見・ご要望にお応えして、このほど「ビルダーソフト(形式:SFEW2)」を開発しました。

 本稿では、SFEW2 がもつオンラインモニタ機能と、リニューアルした画面構成についてご説明します。

1.オンラインモニタ機能

 SFEW2 は、従来製品 SFEW と同様に、MsysNet 製品のビルダーソフトウェアとしての機能をもっていますが、それに加えてオンラインモニタ機能を搭載しました。この機能によって、動作している計器ブロックの現在値をリアルタイムで確認することができます。

 オンラインモニタ機能は、アナログ端子接続画面(図1)、ラダー画面、伝送端子接続画面(図2)で使用できます。

 計器ブロックにおける各端子接続先や各設定値を変更し、ダウンロードした後、オンラインモニタを ON すると、結果をすぐに確認できます。

図1 アナログ端子接続画面

図2 伝送端子接続画面

図3 登録モニタ画面

 上記とは別に、参照したい項目を一括確認できる登録モニタ画面(図3)も用意しています。

 グループ番号と端子番号(GGNN)、またはグループ番号とアイテム番号(GGII)のいずれかを登録できます。

 PCと機器の接続方法としては、PU通信注1)(COMポート)接続とL-Busネットワーク(Ethernetポート)接続の2種類から選択できます。

 L-Busを使用する場合、L-Bus回線上の任意の機器をノードアドレスで指定してモニタすることができます。またPU通信を使用する場合、RS-232-Cで接続される機器だけがモニタ・設定の対象になります(図4)。

図4 システム構成例

2.画面構成

 従来の SFEW はSDI(Single Document Interface)注2)でしたが、SFEW2 ではMDI(Multiple Document Interface)注3)を採用しています。したがって、複数画面を SFEW2 ウィンドウに表示できます(図5)。また画面サイズ、各ウィンドウサイズは変更可能になっています。

図5 画面構成

 メニュー画面を出してから各画面へ展開していたボタンはツールバーに収納し、どの画面を表示していても、次に必要とする画面にワンタッチで画面切り替えできるようにしました。また主な画面ではスクロールバーを採用し、利便性の向上を図っています。従来A4に縮小され見にくかった印刷は複数枚に分割し、見やすいサイズで印刷することも可能になりました。

 ステーション間の仮想配線は、伝送端子接続画面(図2)を使ってグラフィカルに配線することもできます。

 SFEW2 では、伝送端子接続画面から機器を右クリックすることによってカード情報を読み込むことや、計器ブロック設定画面を呼び出して変更を行い、その設定を簡単に書き込むこともできます。

 また、新規カードの設定や削除も右クリックで行えるようになり、従来品より画面移動の手間を省きました。

3.アンドゥ・リドゥ機能

 アンドゥ(undo)機能は、ある作業を1度行った後、その工程の前段階に状態を戻す機能です。リドゥ(redo)機能は、アンドゥによって戻す前の状態に戻すための機能です。これらは共に4つの工程まで記憶でき、繰り返して同じ作業を行う場合に大変便利です。

4. コンペア機能

 コンペア機能は、SFEW2 の計器ブロックの設定と対象機種内の設定を比較して差分を検出し、ダイアログで表示する機能です。コンペア機能にはPU通信を用いたコンペアと、ネットワーク通信機能を利用したネットワークコンペアがあります。

 ネットワーク通信機能を使えば、L-Busを介してPCとつながっている機器に対して、設定データの送受を L-Busネットワークを使って実行できます。SFEW2 ではエンベデッドコントローラ(形式:R3RTU-EM注4)に限り、ネットワークダウンロード機能とネットワークPU-2注5)機能が使用できます。ネットワークPU-2の操作は、プログラミングユニット(形式:PU-2Aモードと同じです。

5.SFEWとの互換性

 SFEW2 は、従来の SFEW に対して上位互換になっています。SFEW でお使いのプロジェクトファイルはそのまま SFEW2 でもお使いいただけます。

お わ り に

 以上、SFEW2 の主な機能についてご説明しました。今後も、より有効に MsysNet 製品をお使いいただくために、SFEW2がお役に立てれば幸いです。また、ご不明点・ご疑問点については、エム・システム技研ホットラインまでお問い合わせください。

 ますますパワーアップし続ける MsysNet 製品とビルダーソフトSFEW2)をどうぞよろしくお願いします。

注1) 従来のプログラミングユニット(形 式:PU-2A)と同一の通信方式。
注2) SDI : 1つのウィンドウにつき1つの 画面を表示。
注3) MDI : 1つのウィンドウにつき複数の 画面を表示。
注4)『エムエスツデー』誌2006年9月号 「機能アップ版 エンベデッドコントローラ(R3RTU-EM/002)新登場」参照。
注5) ネットワーク通信機能を用いて機器に 接続するプログラミングユニットモード。

MsysNet は、エム・システム技研の登録商標です。


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