エムエスツデー 2005年7月号

PCレコーダの納入実例 No.4
No.4

チャートレス記録計とWebロガーによる現場記録と遠隔監視

 今回は、PCレコーダのファミリ機種であるチャートレス記録計Webロガーが上水道管理向けに採用された例をご紹介します。

 今回ご紹介するケースでは、上水道の管理事務所から遠く離れた配水池や水源池における水位や流量などのデータを、ポンプ場に現場設置したチャート式記録計や指示計で記録/表示し、作業員がたとえば毎正時の瞬時値を読み取り、手入力で日報に記入することによって管理していました。したがって、記録計のインクの補充やチャートの交換など、定期的なメンテナンスが必要でした。

 これらの手間を省く目的で、今回チャートレス記録計が導入されました。導入後は、タッチパネル操作によって、収録済みデータを現場で確認できるようになり、同時に、コンパクトフラッシュに保存された状態で記録データを管理事務所に持ち帰り、チャートレス記録計に付属のソフト(MSR128)を使用して詳細に解析できるようになりました。

 今回の事例では、現場記録計のリプレースだけでなくWebロガーを組み合わせて、遠隔管理と異常通報機能も実現しています。

 システム構成については図1をご参照ください。ポンプ場の水位や流量などのフィールドデータは、リモートI/O R5シリーズを使用して取り込みます。R5シリーズは、通信カードを2枚まで実装することが可能で、1枚をチャートレス記録計用、もう1枚をWebロガー用とすることによってI/Oを共有化できます。Webロガーは様々な通信媒体に対応していますが、ここでは一般電話回線を利用するタイプ(形式:TL2W2)が採用されています。

図1 チャートレス記録計とWebロガーによる現場記録と遠隔監視

 事務所には管理用のパソコンを設置して、一般電話回線経由でTL2W2とダイヤルアップ接続し、ウィンドウズに標準装備されたWebブラウザ(インターネットエクスプローラ)の画面による監視を実現しています。

 そのほかにも、Webロガーには帳票機能、Eメール通報機能および音声通報機能(一般電話回線仕様のみオプション対応)が用意されていて、これらの機能によって、トラブル発生時の対応をリアルタイムに行えるようになりました。

【神原 壽洋:(株)エム・システム技研 システム技術部】


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