エムエスツデー 2005年5月号

『エムエスツデー』創刊13周年のごあいさつ

代表取締役会長 宮道 繁 宮道 繁
(株)エム・システム技研 代表取締役会長

 『エムエスツデー』読者の皆様、こんにちは。エム・システム技研が、新しい考え方でご提案する新製品と、そのお役に立つ使い方とを広く知っていただきたい一心で始めた『エムエスツデー』ですが、「継続は力なり」をモットーに発行し続けて参りました結果、今号からついに14年目に入りました。

 新しく計装の仕事につかれた方々から、すでに計装の現場でご活躍中の皆様にまで、幅広い読者にお役に立つ計装技術の情報誌でありたいと、記事の内容に工夫をこらして編集して参りました。電子技術の進歩は、いまだに、ムーアの法則どおりに止まることなく進歩を続けていますし、その一つのアプリケーションとなる計装用インタフェース機器も発展を続けており、ついこの間まで夢でしかなかった機能を現実のものにして、産業設備の安全性と省力化、高機能化に有効な手段を提供し続けています。

 エム・システム技研は、産業設備の計装用機能部品として、信号変換器、避雷器、通信機器およびその複合製品を創り続けて33年、メーカー責任を果たすために、生産打切りによる廃形機種を出さないように努めて参りました。したがって、エム・システム技研の創業製品である「エム・ユニット」を始め、各種変換器、伝送器においても、一度ご採用いただいた製品について、その後のリピートオーダーをお断りしたことはありません。その結果機種が膨大になり、全製品の仕様を網羅した仕様書集、「MSS」のページ数が膨れ上がってしまいました。それでもなお、ひるむことなく新製品を創り続けています。そこでユーザーの皆様に、エム・システム技研のどの製品の詳細仕様も、すべてを即座にご確認いただけるインターネットのホームページを早くから立ち上げております。

 私にとって、世の中の進歩と変化は、いつもエム・システム技研の夢を実現するためにあるのではないかと思うほど、ありがたいものです。創業時に市場にあった変換器は、片手ではとても持ち上がらないような、重くて大きなものでした。それを小形軽量、プラグイン構造にして売り出したいと思った頃、オペアンプと呼ばれる便利なアナログICが売り出され、普及期に入ろうとしていました。計装信号は、DC2~10mA、DC10~50mA、DC4~20mAなど色々ありましたので、それらの信号を相互に変換、接続する変換器の市場が、「エム・ユニット」の出現を待っていました。その機会をとらえて「エム・ユニット」の誕生となりました。それから10年、1 chip CPUが手頃な価格で便利に使えるようになり、マイコン内蔵形変換器を世界に先がけて発売することができました。そしてパソコンの時代が到来し、変換器の需要が急拡大したのをついこの間のように思い出します。

Webロガー そして、今や通信ネットワークの時代です。変換器とネットワーク機能を融合したリモートI/Oを始め、異なるネットワーク間を接続するゲートウェイなどが、エム・システム技研の一つの主力製品のマーケットとして立ち上がってきました。本当にラッキーだと思います。インターネット、通信用モバイル機器が遠隔監視システムに大きな可能性を与えています。エム・システム技研では、いち速くインターネット、ケータイ、パソコンを巧みに取り入れた「Webロガー」を中心に、広域に分散した設備の集中監視システムに必要な機器を、完成、発売して着々と実績を上げています。そして日本中に市町村合併が進行中です。その結果多くの公共設備の集中監視と維持管理の省力化が緊急の課題になってきました。またまた、世の中の変化が、エム・システム技研に活躍の場を提供してくれているように思います。

 私にとって創業以来33年、度重なる幸運に恵まれて業容を拡大し続けてこられたことは、ラッキーの一語に尽きるように思います。

 30歳代で創業した私も古稀を迎えました。この辺りで将来を後進に託すことにし、これからは、私の引いた道筋の延長線上を進むエム・システム技研を見守るようにしていこうと考えています。

 なお、『エムエスツデー』誌のスポークスマンの立場は、頭が活性化している限り続けていくつもりです。よろしくご声援のほど、お願い申しあげます。


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