エムエスツデー 2005年1月号

製品別情報

リモートI/O変換器(R3シリーズ)と
新PCレコーダ入力ユニット(形式:RZUS-U9)に対応する

PCレコーダ総合支援パッケージ(形式:MSRPAC-2005)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

図1  R3シリーズ(左)と RZUS-U9(右) エム・システム技研では、パソコンを利用するPCレコーダ用ソフトウェア(MSRPAC)をPCレコーダ入力ユニットとともに販売し、お客様からご好評をいただいています。  また、PCレコーダ入力ユニットだけでなく、リモートI/O変換器R5シリーズも入出力ユニットとしてご使用いただいています。

 このたびは、PCレコーダ入力ユニット(USB通信12点ユニバーサル入力ユニット、形式:RZUS-U9)注)の発売に伴って、128チャネルPCレコーダソフト(以下MSR128と略称)の機能を向上し、PCレコーダ総合支援パッケージ(形式:MSRPAC-2005)として発売します。

 そこで、新しく追加した入出力ユニットと従来に較べて新しくした機能について、以下にご紹介します。

 なお、MSRPAC-2005は、従来のMSRPACと同様、エム・システム技研のPCレコーダ入力ユニット(形式:R1MシリーズR2MシリーズRZMS-U9RZUS-U9)をお買い上げいただくと、各ユニットに無償で添付されています。  
(ご注意:リモートI/O変換器(R5シリーズR3シリーズ)には添付されていません)

図2 システム構成例(R3シリーズ)

1.新しい入出力ユニットに対応

 MSRPAC-2005に含まれるソフトウェアによって利用可能な入出力ユニットが2種類追加されました。まず第1は、「多チャネル組合せ自由形 リモートI/O変換器 R3シリーズ」です。対応可能なリモートI/O変換器はR5シリーズに続いてR3シリーズが2シリーズ目であり、あらゆる入出力の中から最適な機種を選択してご利用いただけます。

 2番目の製品は、PCレコーダ入力ユニット「USB通信12 点ユニバーサル入力ユニット(形式:RZUS-U9)」です。最近多く見られるCOMポートのないパソコンに対してもMSR128は使用できます。また、専用の独立配線で電源を供給する必要がないため、持ち運びに大変便利です。

 R3シリーズの諸入出力カードおよびその他の機器に対するMSR128の対応については、表1をご参照ください。

表1 MSR128-V4の入出力機器対応表

信号種別 入出力機器
R1M、RZ□S R2M R5 R3
アナログ入力 DC電圧入力 R1M-GH2
R1MS-GH3
RZ□S-U9
R2M-2G3 R5-SV R3-SV
熱電対 R2M-2H3 R5-TS R3-TS
電流入力 × R5-DS R3-DS
R3-SS
測温抵抗体 R1M-J3
RZ□S-U9
× R5-RS R3-RS
ポテンショメータ × × R3-MS
接点入力 R1M-A1 × R5-DA R3-DA
接点出力 R1M-D1 × R5-DC R3-DC
パルス入力 R1M-P4 × × ×
パルス積算入力 R1M-A1、R1M-P4 × × ×
CT入力 × × × R3-CT
PT入力 R3-PT
電力入力 R3-WT

R3の入出力機器には、発売予定の機種も含まれています。

2.MSR128の新しい機能

 R3シリーズのEthernet用通信カード(形式:R3-NE1)を使用することにより、MSRPAC-2005に含まれるMSR128で収録周期100msec、チャネル数128点の収録が可能になります。従来の機能はそのままに、100msec周期と200msec周期で収録できるモードを追加しました。

 したがって、今までよりさらに高速にデータを収録できます。もちろん、アラーム検知やアラーム出力も100msec周期で実行します。  (ご注意:MSR128は専用のネットワークでご使用ください。他のネットワークを共有する場合には、収録データが欠落する恐れがあります)

 また、R3シリーズのModbus通信カード(形式:R3-NM1)を使用すれば、最短500msec周期でR1Mシリーズ、R5シリーズと連結して使用することができます。

3.使 用 環 境

 通常モード(500msec周期以上)をご使用の場合は、従来のパソコン環境でご使用になれます。高速モード(100msec、200msec周期)をご使用の場合は、パソコンの負荷が大きくなりますから、従来と比べてより高性能のパソコンが必要になります。表2をご参照ください。

表2 MSR128-V4の動作環境

必要システム
通常時(収録周期500 ms~)
高速時(収録周期100、200 ms)
パソコン IBM PC/AT互換機
注:NEC製のPC/AT互換機でないPC98は使用できません。また、パソコンの種類により、RS-232-Cポート(COMポート)などの使用が一義的に決められているものがあります。ドライバソフトの変更や、システム設定の変更が必要になる場合があります。
OS Windows 2000またはWindows XP
CPU Pentium III 800 MHz以上 Pentium IV 2.0 GHz以上
ディスプレイの解像度 XGA仕様(1024×768)
表示色 65000色(16ビットHigh Color)
主メモリ(RAM) 128 MB以上(Windows XP使用時は256 MBを推奨) 256 MB以上(Windows XP使用時は512 MBを推奨)
ハードディスク 内蔵ディスクをご使用ください。*1
1日あたり最大で約100 MBを消費します。
内蔵ディスクをご使用ください。*1
入力装置 R1M-GH2、R1MS-GH3、R1M-J3、R1M-D1、R1M-A1、R1M-P4、R2M-2H3、R2M-2G3、50HR、73ET、74ET、75ET、R5-NM1、R5-NE1、R3-NM1、R3-NE1、RZMS-U9、RZUS-U9 R3-NE1
プリンタ Windowsの環境で使用できるプリンタをお使いください。Windowsで使用されているシステム標準フォントを使用して印刷します。標準フォントを印刷できるプリンタドライバをお使いください。
CD-ROMドライブ WindowsがサポートするCD-ROMドライブがインストール時に1台必要
カードリーダー コンパクトフラッシュカードのデータ読込み時に1台必要(50HR、73ET、74ET、75ET使用時)
通信インタフェース WindowsがサポートするRS-232-Cポート(COM1~COM5使用可能)、LAN通信カード LAN通信カード

*1、SCSIなどの外部バスに接続されたディスクを使用した場合は、十分な性能を発揮できない場合があります。

4.MSR128LV、MSR128LS

 すでに発売しているPCレコーダライト(形式:MSR128LV、MSR128LS)もR3シリーズに対応します。なお、表示解像度はそれぞれ640×480ドット(VGA相当)と800×600ドット(SVGA相当)に対応しています。お手持ちのパソコンをR3シリーズと組み合わせてご利用いただけるよう、新しい入力ユニットの対応を図りました。

5.帳票ソフト

 MSRPAC-2005に含まれている帳票作成支援ソフトウェア(MSRDB2)を使用して、MSR128で収録したデータから日報、月報、年報を作成することができます。

 MSR128で収録した100msec、200msec周期のデータに対応するとともに、1時間毎の平均値、合計値が表示できるように機能を向上させました。
 月報では1日毎、年報では1か月毎の合計または平均値を、帳票のセル内に表示できます。
 帳票形式にてCSVファイルが作成できますから、表計算ソフトなどを利用してオリジナルの帳票を作成することもできます。

お わ り に

 PCレコーダソフトは、新製品への対応を続け、PCレコーダ、チャートレス記録計、リモートI/Oなどに含まれる多種類の入出力ユニットをご利用いただけるようになりました。

 以上のように、エム・システム技研は、お客様のご要望にお応えして、PCレコーダソフトを新製品の入出力機器と組み合わせながら、機能の向上を行っています。  今後とも、多くのお客様のご意見、ご要望を反映させ、より良い製品にしていきたいと思います。

注)RZUS-U9については本誌2005年1月号にて詳細をご紹介しています。よろしくご参照ください。


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